ALTRA エスカランテレーサー レビュー 〜故障予防のため、試す価値あり〜
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ALTRAのランニングシューズ、『エスカランテレーサー』を購入したのでレビューします。
購入に至ったきっかけは、"BORN TO RUN 走るために生まれた"という書籍を読んだこと。

この本で紹介されている、故障せずランニングを続けるためには、脚本来の機能を使って走ることが最も効果的、という考え方に影響されて、過度なクッション性や機能性を排した、ミニマルな構造のベアフット・ランニングシューズに興味を感じたのです。

Koki
今回紹介するALTRAのエスカランテレーサーは、ゼロドロップにより自然な着地や重心移動を促してくれるタイプのベアフットシューズです。
目次
なぜベアフットシューズが必要か
高性能シューズでも故障は減らなかった体験談
僕はランニングを始めてからつい先日までの10年以上、クッション性の高いシューズで走ると故障しづらい、と思い込んできました。
これは、多くのランナーの方も同感なのではないでしょうか?

ポレさん
硬いアスファルトの路面を走るにあたって、フカフカのソールで衝撃をしっかり吸収したほうが、脚に優しく安心に思われますよね。

2021年の秋、翌年2月の丸亀ハーフマラソンに向けて走行距離を伸ばしていく段階で、少しでも故障のリスクを下げたいと思い、とにかくクッション性の高い高級ランニングシューズを購入しました。
NIKEのインヴィンシブルラン フライニット。怪我ゼロを目指す、とのキャッチコピーを謳ったモデルで、ミッドソールにはフワフワの着地感を生み出すソール素材を搭載。ソールのボリューム感もたっぷりで、いかにも脚に優しそうなシューズでした。
しかし、確かに走りやすい、良いシューズではあったのですが、故障予防に効果があるのか、と言われると、個人的には従来のシューズとの違いは感じられなかったのです。
三か月ほど使用しましたが、その期間に足首や股関節等に、故障の兆候を感じることが何度かありました。
シューズの保護機能や金額は、故障予防とはあまり関連性が無いのかもしれない、と考えるきっかけとなりました。
"BORN TO RUN 走るために生まれた"を読んで知った、衝撃の事実
上記のような経験を経て、全世界における"ベアフット・ランニング"ブームのきっかけとなった、"BORN TO RUN 走るために生まれた"という本を読んでみました。

この本では「故障しないために、脚本来の機能を使って走る」とのスタンスが述べられており、興味深い統計結果が紹介されていました。
いまではソールにベッドのスプリングを埋め込んだランニングシューズや、マイクロチップでクッションを調節するアディダスを買うこともできるのに、負傷率はこの三〇年間に少しも下がっていない。
日々シューズに搭載される技術は進歩しており、それこそ僕がランニングを始めた2010年頃のシューズと現在2022年に各社から発売されているシューズを比較すると、2010年当時には考えられなかったような素材や機能性のシューズが多数あります。
にもかかわらず、僕自身や周囲のランナーに故障が発生する頻度を見ると、確かに10年前とあまり変わっていないように感じるのです。

Koki
このことから、書籍の中で紹介されていた「脚本来の機能を活かして走る」ことを実践しようと思い、今回ベアフット・スタイルのランニングシューズを購入してみました。
ベアフットシューズのパターン
ベアフット・ランニングシューズとは、簡単に言えば『裸足感覚で走れるシューズ』なのですが、その構造や特徴は、大きく三つのパターンに分類することができます。

ポレさん
今回レビューするALTRAのエスカランテレーサーは、③ゼロドロップ、のタイプ。
①足裏の動きを阻害しないタイプ
まずベアフット・ランニングシューズと聞いて、最初に思い浮かぶのはこのパターンではないでしょうか。
ソールに多数の屈曲溝、カッティングが設けられ、着地から蹴りだしまでの足裏の動きへの干渉を極力排したシューズです。
ベアフットシューズの流行とともに、NIKEから発売されたNIKE FREEシリーズが有名ですよね。

ぐにゃりと曲がる、のキャッチコピーで大々的に売り出されていました。
現在もモデルチェンジが行われており、NIKEのランニングシューズの主力モデルの一つです。
②超薄底タイプ
ソールを超薄底(数ミリ程度)とし、クッション性やサポート性を極限までそぎ落とすことで、裸足と同等の走り心地を実現しているタイプのベアフットシューズもあります。
代表的なモデルは、Vibramのファイブフィンガーズ。

そして、MELELLのヴェイパーグローブ、等でしょうか。

僕はどちらも持っていますが、主に日常の外出やウォーキングで使用しています。
アスファルトを走ってみたこともあるのですが、あまりに脚への負荷が大きく、日常的にランニングで使用するにはかなりの脚力が必要だと感じました。

Koki
芝生や土コースの上で、時々使う程度であれば、ほどよい刺激となるのでおすすめです!
③ゼロドロップタイプ
ほとんどのランニングシューズには、着地から蹴り出しまでの重心移動をスムーズにするため、地面に置いた時に、踵部と前足部で高低差が生じるように設計されています。
この踵部と前足部の高さの差は、一般的にドロップと呼ばれます。
一般的なシューズでは、10mm~12mmのドロップが設けられていると言われています。

ポレさん
靴底が地面に着いたときには、緩い下り坂に立ったような状態で、前方への重心移動をサポートしてくれます。
このドロップをゼロにすると、つまり裸足で平面に立っているのと同じ状態、ということになります。
このように、ランナーを補助するドロップ差をあえて無くすことで、裸足の状態と同様の重心移動を導くことが、ゼロドロップのランニングシューズの特徴です。
外観レビュー

Koki
ここまでは、僕がベアフットシューズを取り入れた理由について紹介してきました。前置きが長くなりましたが、いよいよ本題。エスカランテレーサーのレビューに入っていきます!
今回は、Black/Greenのカラーを選択。サイズは、メンズ25.0cmです。

このシューズの最大の特徴であり、何より目を引くのが、ゼロドロップのソール形状ですね。



Koki
踵部分と前足部のミッドソールが同等の厚さ、むしろ厚く見えるような構造は、一般的なランニングシューズでは見られませんよね。
アウトソールは、実際の足裏の形状に沿うようにラバーによる補強が配置されています。

アッパーの2/3近くは、以下のような通気性抜群のメッシュ構造となっています。
暑い夏でもシューズ内を快適に保ってくれそうです。


ポレさん
寒い冬の時期は、少し心配かも。気になる人は、厚手のソックス等でカバーを!!

Koki
雨の日は、容赦なく水がシューズ内に入ってきました……でも、それを差し引いても超快適なアッパー生地です!!
重量は、メンズ25.0cmで片足あたり、およそ197gでした。

サイズ感は?

ポレさん
あまり店頭では見かけないシューズだけど、サイズ感はどうなの?
僕はランニングシューズのサイズはメンズ25.5cmを選択することが多いです。ちなみに、足の実測サイズは24.0cmです。
参考までに、僕が使用してきた主なシューズのサイズは、以下の通り。
モデル | メーカー | サイズ |
---|---|---|
ゲルニンバス23 | asics | メンズ 25.5cm |
ターサーエッジ2 | asics | メンズ 25.5cm |
メタスピード エッジ | asics | メンズ 25.5cm |
ペガサス36 | NIKE | メンズ 25.5cm |
ヴェイパーフライ NEXT% | NIKE | メンズ 25.5cm |
クラウドストラトス | On | メンズ 25.0cm |
そのような中ですが、今回のエスカランテレーサーは、メンズ25.0cmを選択し、ジャストフィットでした。
このサイズを選択した理由ですが、エスカランテレーサーの前足部を真上から見ると、つま先部分が比較的横に広く作られています。

実は僕がランニングシューズで25.5cmを選ぶ時は、「25.0cmで足の親指付近はちょうど良いけど、小指部分が当たって気になるから0.5cm上げるか……」、といった感じで選択していることが多かったのです。
エスカランテレーサーの真上からの形状を見たとき、僕の足型と似ていると感じたため、小指周りも25.0cmでストレスが無いだろうと予想し、購入してみました。
この判断は正解で、足を入れたり走ったりしたときに、不快な個所が一切ありません。

Koki
サイズ選びの際は、自分の足形とシューズの形状が合いそうだと感じたら、実測値+1.0cmのサイズを選べばよいと思います。
デビューランで感じたこと
早速、10kmのジョギングで走ってみました。

まず走り始めてすぐに感じたことは、あれ、全然進まない……、でした。
それまでジョギングでは、asicsのゲルキンセイブラストを使用することが多かったのですが、そのシューズで走った時に比べて、明らかに進むのにパワーが必要なのです。ゼロドロップのため、シューズによる前方へのガイド機能が無いためだと思われます。

Koki
普段、どれだけランニングシューズの推進力に助けられていたかを実感しましたね……
薄底なので地面からの着地衝撃も大きく、前半は「これで10km走るのはとても無理だわ。。。」と思いながら走っていました。
しかししばらくすると、足裏全体を優しく地面に置くような走り方をすると、楽に走れることに気付きました。これを意識すると、不思議と接地感の硬さや進みづらさは気にならなくなりました。
10kmを走り終えたとき、普段のジョギングとは異なる両腿の前側や股関節に、特に疲労感を感じました。

Koki
ゼロドロップにより裸足と同等の接地角度となり、ランニングフォームが脚本来の機能を活かせるように補正されたためだと思います。
30日連続、計300kmチャレンジ
ベアフットシューズを使用する意義は、継続的にトレーニングで使用し、正しいフォームを会得すること、脚力や走力をアップさせることにあります。
しかし、一般的にベアフットシューズは最低限の機能性以外はそぎ落とすことで、裸足に近い走り心地を感じられるシューズです。
以下のようなことが気になって、なかなか導入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか?
- 故障しないのか
- 本当にフォーム改善に効果があるのか
これらを検証するために、実際に僕自身がエスカランテレーサーのみを使って、30日の期間、毎日10kmずつ走ってみることにしました。

Koki
題して、『エスカランテ300』チャレンジ。
本当に故障しないのか、については、30日連続で毎日10km、計300kmを走り切れるかどうかで検証します。
フォーム改善に効果があるのか、については、Garminのランニングウォッチと連動するモーションセンサー、ランニングダイナミクスポッドを用いて、初日と最終日のランニングフォーム分析結果を比較します。

ポレさん
結果は、以下の記事で紹介!
まとめ
ゼロドロップのシューズは初めて使用しましたが、走行感は一般的なドロップありのシューズと異なります。
ただ、慣れてしまえば走りづらい、故障しそう、といった印象はありません。
正しいフォームの会得にも繋がるため、トレーニング用として非常に良い一足だと感じています。
購入はこちら
僕は今回、Amazonで購入しました。
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