この記事では、以下のような疑問および回答を、徹底解説していきます。
僕が今年度こそは本気でサブスリーを達成する!と決意したのは、2019年の3月。
年間を通してトレーニングを継続し、最終的には年度中にサブエガ(2時間45分59秒)を達成できました。
このときの成功経験に基づき、トレーニングを開始したばかりの僕自身に伝えたい内容をまとめています。
一年間を4シーズンに区分け
一年間という長い期間、高いモチベーションを保ってトレーニングを続けることはなかなか大変です。
また、やみくもに練習を続けるだけでは、「走力があがっているのかわからない……」「今の練習がレース本番の結果に繋がるのか?」といった不安が生じてしまうかもしれません。
そこで、まとまった期間、有意義な練習を続けるためには、期間を区切ってそれぞれのステージで強化項目を設定するのがおすすめです。
区分けすることで、各ステージで取り組むべき内容がはっきりし、モチベーションを保ちやすい。
結果を出すための4ステージ
ターゲットレースまでの期間が8か月以上ある場合、以下のように4つのステージに区切って練習計画を考えるのがおすすめ。
例えば現在4月で、ターゲットレースが翌年3月の東京マラソンの場合、プランはこのようになります。
時期 | ステージ | テーマ |
---|---|---|
4~6月 | スピード向上期 | スピード能力を磨き、5kmのタイムを向上させる。 |
7月~9月 | 走り込み期 | 暑さの中で走り込み、脚力アップ。 |
10月~1月 | 距離適応期 | これまでの2ステージの下積みを、マラソン距離に対応できるよう昇華させる。 |
2月 | 調整期 | ターゲットレースに向けて、コンディションを整える。 |
ターゲットレースまでの期間は、8か月以上あることが理想。
それより短いと各ステージにかけられる期間が少なくなるため、各段階で磨くべき能力を十分に高められない可能性があります。
各ステージの強化ポイント
ターゲットレースまでの期間を4つに区分けしたら、それぞれのステージで意識するべきポイントは、以下の通り。
ステージⅠ:スピード向上期
トレーニング開始の最初の時期には、スピード練習を徹底して行い、最大スピードの底上げを図ることがおすすめ。
42.195kmを走るマラソンにおいて、全速力で走る瞬間は無いため、スピード強化はあまり重要ではないのでは、と思われるかもしれませんが、実は違います。
なぜなら、スピードの最大値が高ければ高いほど、マラソンのレースペースに対する余力度が大きくなるから。
まずは自分の最大スピードを高めておくことが、今後のマラソントレーニングの基盤になります。
トレーニングの初期段階は、最大スピードの底上げを意識。
ステージⅡ:走り込み期
トレーニングを始めて数か月が経ったステージⅡでは、とにかく距離を走りこんで脚力を鍛えましょう。
理由はシンプルで、42.195kmを走り切れる脚力がなければ、マラソンでの記録更新は絶対に不可能だから。
可能な限り、この走り込み期は7月~8月の暑い時期に行うのがおすすめ。
暑い中でのランニングはハードで熱中症等に注意が必要ですが、毛細血管の拡充など、走力アップに直結する効果が得られます。
理想は月間500km、社会人の方や、家族サービスとの兼ね合いでそこまでの時間を取れない方も、週末等を活用して月間400kmを目指して、とにかく距離を積むのが良いと思います。
月間400km~500kmを目指して、とにかく距離を積む!
ステージⅢ:距離適応期
これまでのステージⅠとステージⅡを順調にこなせていれば、走力が上がってきている実感があり、またランナーらしく、身体が絞れてきているはず。
続くステージⅢは、これまで別々に鍛えてきたスピード能力と長い距離を走れる脚力を融合させて、マラソン仕様の走力に昇華させる時期。
正直、この時期にいかに充実した練習を積めるかがマラソン飛躍のカギであり、これまでの2つの時期は、このステージのための準備段階だったといっても過言ではありません。
週末にまとまった時間を確保して30kmペース走や30kmビルドアップ走を行い、マラソンの距離をレースペースで走り切れる実践的な能力を鍛えていきます。
30kmペース走や30kmビルドアップ走により、マラソンに繋がる実践的な走力を鍛える。
ステージⅣ:調整期
いよいよ最後のステージ、ターゲットレースまでのラスト一か月。
この段階では、いかに強度の高いポイント練習をしようと、レースタイムの大幅な向上は現実的ではありません。
迫るレース本番への緊張感からいろいろな練習をしたくなりますが、グッとこらえて万全の状態でレースに臨むことに専念するべきです。
週1~2回はポイント練習を行うものの、10km未満の短いもののみとし、心肺機能と走力を維持。
それ以外の日は、徐々に走行距離や練習強度を落としていきます。
溜まった疲労を抜いてコンディションを整え、最高の状態でレースに臨めるように準備する期間です。
レース本番にピークを合わせられなければ、結果は出ない。最後まで油断せず、調整に専念。
各ステージで行うべき練習メニュー
僕は前述の4ステージの区分けにより年間トレーニング計画を組み、結果、2019年12月にサブエガ(2時間50分切り)を達成することができました。
僕が各ステージで取り組んでいた練習メニューの中から、特に効果的だったものをまとめてみました。
ステージ | 練習メニュー |
---|---|
スピード向上期 | ・400m×10本(繋ぎjog:200m) ・1000m×5本(繋ぎjog:400m) ・3~5kmのレース |
走り込み期 | ・30km jog ・2時間LSD |
距離適応期 | ・30km ペース走 ・30km ビルドアップ走 |
調整期 | ・10km ペース走 ・2000m×2本(繋ぎjog:400m) |
どんな練習を行えばよいかわからない、という場合の参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、以下の内容を紹介してきました。
- 4ステージに区分けした練習プランの考え方
- 各ステージの目的
- 僕がサブエガを達成したときに行っていた、おすすめのポイント練習メニュー
マラソンは、モチベーションを保ってトレーニングを継続すれば、必ずタイムが向上します。
継続するためのハードルを少しでも下げるには、『日々のトレーニングの目的を明確にすること』『結果につながる努力をすること』がポイントで、そのためには今回紹介した区分けの考え方が有効です。
本記事の内容が、皆様の目標達成の一助となれば幸いです。