5000m 17分台の出し方 ~練習メニューからレースプランまで~

今回は、トラック5000mレースで17分台(18分切り)を出す方法を考えていきます。

私の学生時代の5000m自己ベストは16分36秒25、社会人ベストは17分15秒86です。この記事では、私が実際に17分台を出せた時の練習メニューやレースプラン、試行錯誤などを織り込んでいます。

これから17分台にチャレンジしたいランナーの方の参考となれば幸いです。

5000m 17分台とは

高校、大学で陸上部長距離パートに所属している方は、5000m 17分台をクリアしている方も多いでしょう。実際、インターハイや全国高校駅伝、インカレや箱根駅伝では、5000m 13分台や14分台が当たり前の世界です。

そのようなトップレベルの数字を見た後では、『5000m 17分台は簡単なステージではないのか?』と感じるかもしれません。しかし、答えはNOです。その現実を端的に表現しているのが、以下のツイートです。

私は大学から陸上部で長距離を始めましたが、毎日必死に練習して、初めて17分台を達成するまでに9か月かかりました。また、上記引用ツイートのように、高校3年間や大学4年間、練習に打ち込んでも、18分を切れなかった方も多くいる。実際に私が大学で知り合った、中学高校まで陸上部に所属していた友人も、5000mの最終ベストは18分台でした。

また、17分台を達成した次のステージは5000m 16分台となりますが、そこには到達できず、17分台が最終ベストで引退する選手はさらに多い。大学時代、私の1学年先輩で同様に大学から陸上を始め、5000m 16分台を目指していた方がおられました。周りの経験者に追いつくために血の滲むような努力を重ねられており、尊敬していた先輩なのですが、残念ながら16分台には届かず、最終ベストは17分1桁台でした。

このように、5000m 17分台に到達することは簡単ではなく、達成できれば競技者レベルです。5000mの持ちタイムだけで見れば、学生時代を部活動に捧げた多くの選手と同等のカテゴリに属する、立派なタイムです。これらのことから、その難しさを実感いただけるのではないかと思います。

走力レベルの目安は?

5000m 17分台を目指すにあたって、参考までに他種目に換算すると、どのくらいのタイムに相当するのか、を見ておきましょう。

長距離ランナーの必携書、『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』に記載されている、VDOTと代表的な距離のタイムの関連性、を参考にしています。

VDOT5000mハーフマラソンマラソン
5518’22”1:24’18”2:56’01”
5618’05”1:23’00”2:53’20”
5717’49”1:21’43”2:50’45”
5817’33”1:20’30”2:48’14”
ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版 P80 『代表的な距離のVDOT』 より。

VDOTとは走力レベルの目安であり、5000m 17分台を達成するには57という数値が必要です。これは、ハーフマラソンでは1時間21分43秒、フルマラソンでは2時間50分45秒というタイムに相当します。

マラソン中心に取り組まれている市民ランナーの方にとって、5000m 17分台は、サブエガ(2時間50分切り)に挑戦するレベルの方が意識するタイムと言えるでしょう。

練習メニューについて

5000mを17分台(18分00秒以内)で走るには、平均3分36秒/kmのスピードで5kmを走りきる必要があります。レースでは終始一定ペースで走り続けることは現実的ではないので、実際には3分30秒/km程度のスピードでも物怖じせず、余裕を持って走れる走力が必要です。レース序盤に上記のペース展開になったとしても、3000m未満の時点で息が上がってしまうようでは、まず残りの距離を17分台レベルでキープできません。

この走力を身に付けるために必要なポイント練習は、私の経験も踏まえて、ズバリ以下の2つだと考えています。

  • 1000mインターバル5本(繋ぎ200m jog)
  • 3000mレペティション2本(休息7分)

どちらも400mトラックで実施できればベストですが、GPSウォッチによる距離計測を活用すれば、ロード周回コースでも可能です。

1000mインターバルでは、設定を3分30秒とします。
繋ぎの200m jogは、60秒が理想ですが、余裕が無ければ70秒~80秒かけて回復させ、疾走区間をしっかり走ることを意識したほうが良いです。

3000mレペティションは、実戦を意識したポイント練習です。設定は10分35秒とします。
実際のレースでは5000mという距離を、前半の3000mと後半の2000m、と区切ってレースプランを考えることが多いです。1本目はレース序盤を意識し、苦しいながらも力まずに余裕をもって走ることを意識。2本目は正念場のレース後半、体が言うことを聞かなくなってくる感覚の中、絞り出すことを意識します。

いずれも、いきなり上記の設定がこなせない場合は、少し落とした設定から始め、レース本番までに上記の設定を安定してこなせるようになることを目指しましょう。

週2~3回程度、これらの練習メニューを行い、残りの日はjogやランオフをバランスよく挟んでいけば、5000m 17分台は見えてくると思います。

レースプランについて

レース本番、どのような設定ペースで展開していくのか、イメージしておくことも大切です。

以下に、いくつかプランをあげてみます。数字は1kmごとのラップタイムで、カッコ内は各距離地点での通過タイムです。

距離イーブンプラン序盤貯金プラン堅実プラン
1000m3’36″(3’36”)3’28″(3’28”)3’30″(3’30”)
2000m3’36″(7’12”)3’32″(7’00”)3’35″(7’05”)
3000m3’36″(10’48”)3’35″(10’35”)3’35″(10’40”)
4000m3’36″(14’24”)3’45″(14’20”)3’40″(14’20”)
5000m3’35″(17’59”)3’39″(17’59”)3’35″(17’55”)

まず、一つ目の『イーブンプラン』ですが、このように終始一定ペースでレースを走りきることは非常に難しいです。レース中は他の選手との駆け引きなど不特定要素が多く、一定ペースを維持するには、淡々と単独走で走らざるを得ないことがほとんどだからです。もしレース本番でこれができるなら、既に18分切りをはるかに上回る走力があるはずです。よって、これから17分台を目指す方は、他のプランで挑んだほうが良いでしょう。

二つ目の『序盤貯金プラン』は、中学生や高校生の学生にありがちな展開です。序盤は周りの集団に合わせてややオーバーペースで突っ込み、中盤はペースダウンしながらも必死で走る。ラスト1000mは監督の檄で切り替えてスパートし、ギリギリ目標タイムに滑り込むパターンですね。

三つ目の『堅実プラン』が、トラックレースでは最も安定して目標タイムを達成しやすいと思います。最初の1000mまではイーブンペースよりもやや速めに走って貯金を作り、そこからの3000mまではイーブンペースで余力を残しつつ走る。正念場の3000m~4000m間で少し落ちるも、ラストは絞り出してペースを戻してゴール、といったイメージです。

レース本番では、可能な限り『堅実プラン』を目指し、他選手との駆け引き次第では『序盤貯金プラン』でも良いと思います。

いずれにしても、以下の2点が、5000m 17分台を達成するための必須条件です。

  • 3000m地点を10分35秒~40秒で通過する。
  • その時に、きついながらも『まだまだここから』と思える余力を残しておく。

シューズについて

2021年5月現在、世界陸連の競技規則に従って、公認のトラック5000m記録会ではソールの厚さ25mm以下のシューズやスパイクしか使用することができません。勝負シューズがレース本番で使用可能か、事前に確認しておくことが重要です。

私が愛用しているトラックレース用シューズは、asicsの『ソーティマジック LT2』です。

トラックレースで使用可能な公認シューズであり、薄底にしてはクッション性が高いため、レース終盤までエネルギーを温存できる、走力問わず使いやすいシューズです。

まとめ

5000m 17分台は、ランニングを始めたばかりの方や、未だに達成した経験のない方、トラックレースに出場したことのない方にとっては、非常に高い目標に感じると思います。
しかし、常に目的意識を持ち、適切にトレーニングを重ねていけば、きっと達成できると思います。

この記事が、皆様の目標達成の一助になれば嬉しいです。

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