足底筋膜炎の予防、治し方

記録を目指して日々トレーニングを続けているマラソンランナーは、常に故障と隣り合わせ。
故障(怪我)は様々な部位に生じる可能性がありますが、その中でも足裏が痛くなる足底筋膜炎は、多くの方が一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

今回は全てのランナーに起こり得て、かつ完治まで時間がかかるやっかいな故障である足底筋膜炎について、予防方法や発症してしまった場合の対処方法など、私の経験も含めて紹介します。

足底筋膜炎とは?

足底筋膜とは、踵の骨から指先まで繋がる繊維組織で、足裏や土踏まずの形状を支えています。

足底筋膜炎とは、足裏に過剰な負荷がかかり続けることで、足底筋膜に炎症が起こり、歩いたり走ったりするたびに痛みが生じる状態です。

発症初期の段階では、立ち上がった直後や、歩いたり走ったりして足裏に体重がかかった時に、踵付近に痛みが生じます(下図左側)。この段階で適切なケアができれば、早期の回復、練習復帰が可能です。しかしここで無理してトレーニング強度を維持すると、確実に悪化します。痛む範囲が足裏全体に広がり、痛みも強くなります(下図右側)。足底筋膜炎が疑われる時には、勇気をもって早めに練習強度を落とし、トレーニング計画を変更したほうが、後々の後悔が少ないと思います。

ちなみに私の経験上、足底筋膜炎は走っている最中に突然痛み始める、ということは少ないと思います。トレーニング中はアドレナリンが分泌されることで、炎症が起こっても痛みを感じづらいためです。強度の高い練習後にゆっくりしている時、あるいは翌朝の起床時に気付くことが多いため、走り込み時期など、疲労がたまっている場合は特に注意しましょう。

予防のために日々行うべきこと

これまでに試した中で、効果があると感じた予防方法を紹介します。可能な範囲で取り入れてみてください。

①ゴルフボールで足裏のマッサージ
夏の走り込み時期など、継続的に質の高いトレーニングを続けていると、足裏のアーチ(土踏まず)の形状を維持できなくなり、アーチ高さが降下します。このような状態で走り続けると、足底筋膜に負荷がかかり、炎症を起こす可能性が高まります。

降下したアーチを簡単に戻す方法として、ゴルフボールで足裏をマッサージする方法があります。市販のゴルフボールを床に置き、足裏で踏んでアーチに沿って転がします。

手軽に行えるうえに効果が大きいので、是非取り入れてみてください。

➁アイシング
これは故障予防の定番。運動後には、多かれ少なかれ筋肉に炎症が起こっています。氷を当てて外部から熱を取ることで素早く鎮静化し、故障(=炎症が治まらず、慢性的に続いている状態)に至ることを防ぎます。

アイシング専用のスポーツ氷嚢を用いても良いですし、保冷剤にタオルを巻きつけて用いるのでも良いと思います。

➂クッション性の高いシューズを選ぶ
ソールが薄く、着地衝撃がダイレクトに伝わるシューズほど足裏への負担は大きくなります。脚に不安がある、疲労が溜まってきているので故障が心配、といった場合は衝撃吸収性の高い、クッション重視のシューズを使用することをお勧めします。

asicsのゲルカヤノシリーズは、衝撃吸収に優れたゲルを搭載しつつ、アーチサポート機能も持つため、足底筋膜炎の予防や発症後のリカバリー時期に最適です。

④体重を落とす
体重を落とすことは、足底筋膜炎だけでなく、あらゆる故障の予防に効果大。ランニング中、脚には体重の3倍の衝撃がかかると言われています。体重を3kg減らすだけで、1ステップあたり約10kg、かかる負荷が減る、と考えると、その重要性が感じられると思います。

私のこれまでの故障を振り返ると、練習をサボっていたり、オフシーズンだったりで体重が増えている時に故障することがほとんどです。もちろん体重だけが要因ではないですが、体重増加と故障確率にはある程度、相関があるように思います。

走りながら治す方法

どんなに気を付けていても、故障は起こるときは起こります。
足底筋膜炎を発症してしまった場合、どのように対処すれば良いでしょうか。

様々なサイトを見ると、治療方法として「痛みが引くまでランニングは休止」「数か月で完治する」等、書かれています。しかし、ランナーとして知りたいのはそれじゃない。数か月も走ることを止めれば走力への影響は甚大です。ランナーが一番知りたいのは、走力へのマイナス影響を最小限にし、いかにトレーニングを継続しながら治していくか、ではないでしょうか。

私は故障が多く、足底筋膜炎も何度も経験してきました。試行錯誤しながら、走りながら治してきた経験をふまえ、おすすめの方法を紹介します。100%正解、とは言い切れないですが、少しでも参考になれば幸いです。

【STEP1】発症直後
まず痛みを感じるようになった直後は、ランニングを休止 or 走行距離を半分以下に落としてjogのみとし、症状を和らげることを最優先とします。痛みを感じた日に計画変更を決断できれば、数日~1週間で症状はかなり軽くなります。歩いたり、小走りで痛みを感じない程度まで回復できれば、初期対応はOK。トレーニングを再開していきます。

【STEP2】トレーニング再開
上記をクリアできれば、徐々にトレーニングを再開します。しかし最初のうちは、走行距離または強度(ペース)のどちらかは抑え目とし、脚へのダメージを最小限にします。加えて以下のケアを徹底し、練習によるダメージ<自然回復、とすることで、トレーニングを続けながらも少しずつ回復させていきます。

①インソール
足底筋膜への負担を軽減するため、アーチサポート機能を持ったインソールを使用することをおすすめします。アーチへのダメージが大きく軽減されます。

SUPERFEET“ORANGE”は、しっかりしたアーチサポートと衝撃吸収クッションを得られるのでおすすめです。私も足底筋膜炎の恐れがあるときに使用しています。

➁足裏マッサージ
アーチ保持のため、足裏のマッサージを行います。前の予防の章を参照ください。
ゴルフボールでも良いですが、より効果の高い専用器具もあります。

➂温冷浴
患部を温水と冷水に交互に浸ける温冷浴は、炎症を抑えるのに有効です。足底筋膜炎の場合は、湯を張った浴槽と氷水で満たしたバケツを用意し、ふくらはぎから下を温水と冷水で交互に5分ほど浸けると良いと思います。温水では毛細血管が膨張し、冷水では収縮します。このように患部の血流に緩急をつけることが温冷浴の目的であり、疲労物質を流して炎症の早期鎮静を狙います。

【STEP3】練習強度を戻していく
上記を徹底しながらトレーニングし、症状の悪化が無ければ、徐々にトレーニング強度を故障前と同レベルに戻していきます。

私は直近では2019年の8月初めに足底筋膜炎を発症しましたが、上記の方法により練習を続けました。発症した8月は月間500kmを走りながら、2か月ほどで全く痛みを感じないレベルまで完治させることができました。

まとめ

足底筋膜炎はやっかいな故障ですが、発症初期に適切な対応ができればランニングを継続しながら完治可能です。とにかく発症初期に無理をせず、慢性的に痛む状態にしないことが鍵ですので、足底筋膜炎が疑われる時には無理をせず、最短で回復させることを優先してください。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

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