NIKE アルファフライを走行データからレビュー

NIKEの注目シューズ『アルファフライ ネクスト%』を入手しました。

マラソンランナーで知らない人はまずいないと思われるほどの話題のシューズ。
日本記録を更新し、一般ランナーの間でも大人気のため、新色が発売されても公式ページではすぐに完売。

遂にアルファフライ デビュー!!

一部では、超エリートランナー向けのシューズ、とまで言われていますが、実際のところどうなのでしょうか……私たちのような一般ランナーが使用しても、結果に繋がるシューズなのか??

今回は、アルファフライの特徴や走行感を紹介していきます。
まず評価するにあたって、アルファフライと従来のレーシングフラットで、同じ条件の10kmペース走を実施しました。

さらに客観的に分析するために、両方のランでGarminのランニングダイナミクスポッドを用いて、接地時間や上下動など様々な情報を記録しました。

Garminのランニングウォッチと連動し、ランニング中の様々なデータを記録できる。

両シューズでのトレーニング結果を比較し、タイムやランニングダイナミクスなどの数値面、そして走行中の感覚面から、アルファフライの特徴を分析し、紹介していきます。

第一印象は?

発売から約半年遅れで、ついにアルファフライデビュー。
走ってみた第一印象は……

初めて履きこなせないシューズに出会った……

でした。大袈裟ではなく、初めてシューズに負けた、という感覚でした。

私は学生時代から陸上競技部で長距離走に取り組んでいたこともあり、ほとんどのシューズは何だかんだありつつも使いこなしてきた自信があります。

上級者向けと言われる、asicsのソーティーマジックシリーズに代表される薄底シューズも問題なく履けますし、さらに脚への負担が大きいスパイクも、初めて足を入れた日から違和感なくインターバルトレーニングで使えました。さらには2017年以降、厚底シューズがブームになった時にも、購入初日にすぐに感覚をつかみ、ガンガン使用してきました。

しかし、アルファフライだけは別でした。
あまりの特異感により、履きこなせている感覚が無いのです。
走れてはいますが、シューズの特徴を理解し、それを活かして走れている、という実感が全くありません

その原因を、まずは走行時のデータから考えていきます。

10km走の比較

早速ですが、アルファフライと、従来のレーシングフラットで10kmペース走を行った結果です。
両ランは、時間帯、天候、気温がほぼ同じだったため、比較対象としては適当かと思います。

設定はキロ4(4’00″/km)です。

まずは、従来のレーシングフラットで行った時の結果です。
【従来のレーシングフラット】

タイム39’45”
平均ペース3’58″/km
平均心拍数159bpm
平均ピッチ174spm
平均歩幅1.44m
平均上下動9.4cm
平均接地時間213ms

続いて、アルファフライで行った時の結果です。
【アルファフライ】

タイム39’33”
平均ペース3’57″/km
平均心拍数154bpm
平均ピッチ170spm
平均歩幅1.49m
平均上下動11.1cm
平均接地時間216ms

設定4’00″/kmに対して、タイムと平均ペースはそれぞれ39’45″(3’58″/km)と39’33″(3’57″/km)。
ほぼ設定通りですね。

平均心拍数を見てみます。
平均心拍数(bpm)とは、1分間に心臓が拍動した回数の平均であり、長距離走においては一言で表すと、きつさの目安です。この数値が高いほど息が上がり苦しくなっている状態です。同じタイムで走れたなら、より数値が低いほど余裕を持って走れている、ということになります。

従来のシューズでは平均心拍数159bpmに対して、アルファフライは154bpmです。アルファフライのほうが若干ペースが速いにも関わらず、体感的にはラクに走りきれた、ということがわかります。

ただ履いて走るだけで同じペースを楽に感じられるなんて、最高じゃないか!!

……と思われるかもしれません。
しかし、現実はそれほど甘くはありませんでした^^;

履きこなすのが難しい理由

続いて、平均ピッチ平均歩幅を見てみます。
平均ピッチ(spm)とは1分間のステップ数、平均歩幅(m)はそのまま、1ステップで進んだ距離です。
ランニングのスピードはピッチ×歩幅で決まるのですが、一般的にピッチを上げれば歩幅が小さくなり、逆に歩幅を大きくしようとするとピッチが遅くなります。これは経験的にもイメージしやすいかと思います。

従来のシューズでは平均ピッチ174spm、平均歩幅1.44mに対して、アルファフライでは平均ピッチ170spm、平均歩幅1.49mです。

NIKEのヴェイパーフライシリーズは、非常に柔らかいZoomXフォームによる厚いソールと、バネのような役割を果たすスプーン上のカーボンプレートが特徴です。しっかり沈み込んだ後に、プレートによる強力な反発を感じられるところが速さの秘訣であり、それをさらにアップデートさせたのがアルファフライですから、歩幅が広くなったかわりにピッチが下がったという、今回の結果には納得するものがあります。

しかし、この2つの指標について注意すべきは、自分のレベルに合った値で走らなければ、かえってパフォーマンスが低下する、ということです。自分の能力以上に脚を速く回せば心肺機能が追い付かなくなってペースを維持できなくなるし、必要以上に歩幅を広げれば一歩ごとに脚が受ける衝撃も大きくなり、その負荷に筋肉が耐えられなくなってペースダウンを起こします。

今回、アルファフライを履きこなせないと感じた最大の要因は、激しい筋肉疲労です。
ヴェイパーフライNEXT%をさらに上回る沈み込み、からの強烈な反発により、強制的に歩幅が広げられている感覚があります。

平均上下動はアルファフライのほうが大きく、平均接地時間もアルファフライのほうが長くなっていることも、このことを裏付けています。

能力以上に歩幅が広がったことで、1歩進むごとに脚に大きな負荷を感じ、2kmも走らないうちに、疲労から走りに軽快さが無くなってしましました。

さらに、アルファフライで走るには常に同じフォームを保ち続ける必要があります。
アルファフライな前述のZoomXフォームとカーボンプレートに加え、前足部に配置されたズームエアポッドにより大きな反発力を生み出しています。

ベース画像はNIKE公式ページより。

シューズの性能を活かして走るには、エアポッド部分でピンポイントに着地し続ける必要があります。少しでもフォームが乱れた途端、これらの推進力を生むギミックがバラバラに噛み合わなくなり、一気に走りづらく不安定なシューズになりました。

常に同じフォームで走り続けなければならないため、脚の同じ個所に負荷がかかり続け、より筋肉疲労を感じやすくなっているように思いました。

履きこなすには?

アルファフライを履きこなすには、「とにかく慣れる」が最も有効だと思います。

接地感、走行感、フォーム、疲労度合い、全てがあまりに特異すぎるシューズですので、アルファフライを勝負シューズにしたい場合、普段のポイント練習から積極的に使用し、感覚に慣れることが大切です。

普段から使用することで、強い反発に伴う負荷にも耐えられる脚力が身に付くかもしれません。

高価なシューズではありますが、「レース本番だけアルファフライで!!」というチョイスは、間違いなく大失敗に繋がるような気がします。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

NIKEの定番シューズはこちら

『ペガサス37』は、走力レベルを問わず履きこなせる、NIKEの定番シューズです。
今回紹介した『アルファフライ ネクスト%』とセットで使っても、日々のジョギングやLSDで使用してもOK。
世界中のトップランナーに愛用されているシリーズです。

左がメンズ、右がウィメンズです。

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