この記事を読むことで、以下のような悩みを解決できます。
このような悩みを持っていた、過去の僕自身に届けたい内容を書きました。
僕は現在、1歳10か月になる長男の育児中。
子供の誕生前の数年間は、一日中マラソンで自己ベストを更新することばかり考えているような、シリアスランナーでした。

僕は世間でいうところの『イクメン』ではありません。
妻が専業主婦の中でフルタイム勤務しているので、平日は朝晩しか家にいないし、子供が寝た後に帰宅することもあります。
それでも、家にいる時間や休日は子供と過ごす時間を大切にしたいと思い、できる範囲で育児に取り組んでいるつもりです。
それに伴い、平日も休日もマラソンの練習時間がどんどん少なくなり、上記のような悩みを抱えていました。
そのような状況でも気持ちを切らさず、現在も市民ランナー活動を継続している経験もふまえて、同じような境遇のランナーの一助になればと思います。
専門種目は『トラック5000m』がおすすめ
0~2歳の小さなお子様を育児中のランナーは、専門種目を『トラック5000m』に絞るのがおすすめです。
競技としてマラソンに取り組み、自己記録の更新を目指すシリアスランナーの場合、必然的に日々の練習から長い距離を走らなければならず、練習の拘束時間が長くなりがち。

乳幼児の育児期間中は、断続的かつ不規則にタスクが発生するため、数時間単位のまとまった自由時間を日々捻出していくことは困難です。
乳幼児の育児中は、長時間のマラソン練習は難しい。。。
一方、トラック5000mであれば、インターバルやレペティション等、高負荷であるかわりに所要時間の少ない、短期集中型の練習でも記録向上を目指すことが可能。
さらに、トラックレースを経験してスピードを磨いておくことは、将来のマラソンで必ず活きてきます(詳しくは後述)。
よって、育児期間中の男性マラソンランナーは、必死に時間を作ってマラソン練習を続けるよりも、一旦照準をトラック5000mに切り替えるのが最適解だと思います。
マラソンを継続できない要因3選
僕自身、子供が誕生する前までは、「時間の使い方を効率化&工夫して、育児とマラソンの記録更新を両立してやる!」と意気込んでいました。
しかし、乳児期から幼児期の育児は想像以上に自分の時間が取りづらい。
マラソン練習のような長時間のまとまったランは、ほとんど行えない状況になりました。
僕がマラソン練習を継続できなかった要因は、以下の3つ。
練習時間がとれない
現在の僕の生活スケジュールは、おおよそ以下の通り。
- 平日は仕事のため朝出社、19時半から20時半に帰宅。夕食や家事、子供と遊ぶ&妻と一緒に寝かしつけを終え、22時半から23時以降が自由時間。
- 休日は、妻と交代制で各自の時間を確保(1~2時間程度)。それ以外は、一人で子守りをしたり、家族で外出したり。
平日は、主に子供が寝た後の自由時間がランニングに充てられる時間。
休日は、子供が昼寝をしている間や、妻と交代制で作る各自の自由時間内で走ることが多いです。

一方、子供の誕生前、僕がフルマラソンの自己記録(2時間45分59秒)を達成したシーズンの練習内容は、以下の通り。
- 平日は仕事後、競技場でのポイント練習 or 1時間程度のジョグ
- 週末は30kmペース走や、30kmビルドアップ走
平日の練習でも、競技場に向かう場合、準備や移動も含めた必要時間は2~3時間。
休日のロング走にいたっては、3~4時間を要していました。
ガチのマラソン練習は、走行距離が長く時間がかかる……
育児に関わりながら、これだけのまとまった時間を日々捻出することは難しいです。
レースに出れない
フルマラソンのレースに臨むとなれば、さらに時間の制約の影響が大きくなります。
マラソン大会に参加する際、多くの場合は“遠征”になるかと思います。
長時間の移動や、遠方の大会の場合は宿泊を伴うことも……
一日単位で家から離れることになるので、頻繁にエントリー、というわけにもいきません。
レースの予定が無ければ、日々の練習のモチベーションもどうしても低くなりがちです。
予定が狂うのが当たり前の生活
育児期間中は、想定外のことばかりが起こります。
- 走りに出かける直前に子供がぐずり始め、練習を後回しに
- 子供が体調を崩し、看病のため週単位で走れない(想像以上に、よくあります)
- 妻も感染し、さらに走れない期間が延びる
フルマラソンで記録を狙う場合、ターゲットレースを決めて、そこから逆算して年間計画を立てる場合が多いですよね。
ピンポイントのレースに向けて、年単位のスケジュール
中には毎月、さらには毎週のようにフルマラソンに出場する方もおられるかもしれませんが、僕はピーキングや金銭面もあり、フルマラソンへのエントリーは年に1~2レースです。
育児のように想定外の出来事ばかりで不規則な生活リズムの中、頻繁にはないレース本番に向けてのコンディションをバチっと合わせられるかどうかは、正直なところ運の要素も大きくなります。
トラック5000mなら解決可能
前章では、育児とマラソン練習を両立させることは事前の想像以上に難しかった、という僕の体験談を紹介してきました。
- 忙しく、まとまった練習時間がとれない
- なかなかレースに出れず、モチベーションの維持が大変
- 予定が狂うのが当たり前、少ないチャンスにピークを合わせられるか不安
これらのハードルは、一時的に専門種目をトラック5000mに切り替えてトレーニングに取り組むことで、全て解決されます。

短期集中型の練習で走力アップが可能
トラック5000mに向けた練習では、マラソン練習のように、長い距離をひたすら走り込む必要はありません。
僕は大学時代に陸上競技部に所属し、5000mをメイン種目として取り組んでいました。
また、社会人となってもトラックレースに挑戦しています。
トラックレースの記録を向上させたい場合に行うべきポイント練習は、以下のようなものです。
- 6000m~8000m ペース走、ビルドアップ走
- 400m×10 インターバル(繋ぎ:200m jog)
- 1000m×5 インターバル(繋ぎ:200m jog)
- 3000m×2 レペティション(セット間:5分)
いずれも、30分から1時間あれば終わるトレーニングです。
週に2~3日であれば、育児に関わりながら、これらの時間を捻出できるのではないでしょうか。
近場の競技場でレースが開催されている
トラックレースの主な参加者は、部活動の学生です。
学生が無理なく参加できるよう、各地にある陸上競技場で、頻繁に大会が開催されています。
多くの場合、移動時間もそれほどかからない距離で大会に参加できるので、移動やウォーミングアップを含めても、家を離れるのは数時間~半日で済むと思います。
大会のスケジュールは、お住いの地域の『陸上競技協会』のホームページで公開されていると思われますので、気になる方はチェックしてみてください。
ピークを合わせられなくても、次の機会がある
トラックレースはロードレースに比べると開催頻度が多いので、もし子供の体調面や多忙により調子を合わせられなくても、翌月には次のチャンスがあります。
フルマラソンのように、数少ない機会にピークを合わせなければならない、といったことがないので、数日先の見通しすら立たない育児期間中であっても、ストレス無くトレーニングに取り組めると思います。
スピードを高めることが将来のマラソンに繋がる
42.195kmを走るマラソンにおいて、全速力で走る瞬間は無いため、スピード強化はあまり重要ではないのでは、と思われるかもしれませんが、実は違います。
なぜなら、スピードの最大値が高ければ高いほど、マラソンのレースペースに対する余力度が大きくなるから。
例えば、1kmを3分40秒でしか走れない選手と、3分20秒で走れる選手がいたとします。どちらがマラソンのレースペースである3分55秒/kmを楽に走れるか、といえば、当然後者ですよね。
前者の選手は全力疾走状態からキロ15秒しか変わらないのですからなかなかしんどい。対して後者の選手は、キロ30秒以上遅いわけですから、きっと余裕でしょう。
これは極端な例ですが、自分の最大スピードを高めておくことは、必ず将来のマラソントレーニングのプラスになります。
スピードを鍛えることで、マラソンのレースペースに対する余力度が上がる。
実際、僕もマラソンでサブスリーを目指すと決めたシーズンには、春から夏にかけてスピード練習を重点的に行い、頻繁にトラックレースに出場していました。
最終的には17分15秒86まで記録を伸ばすことができ、そのころには1キロ4分のペースでは全く息が乱れず、自信を持って走れるようになっていました。
まとめ
この記事では、0~2歳の小さなお子様を育児中のマラソンランナーは、一旦フルマラソンから離れて、短い距離のレース、特に『トラック5000m』に取り組んでみるのがおすすめであることを紹介してきました。
- 育児期間のフルマラソン練習は、様々な制約があり、難しい
- トラック5000mであれば取り組みやすく、おすすめ
- この時期にスピードを磨いておくことは、将来のマラソンに繋がるメリットあり
育児期間中でも問題なくトレーニングを続けられる環境の方であれば問題ないのですが、多くの方は、子供の誕生前に比べて、自分のために使える時間が大幅に減るはずです。
マラソンのトレーニングは時間の制約上、難しいと感じたのであれば、無理をして継続するよりも、一時的にスピード強化に焦点を当てて、練習内容を見直してみるのが良いと思います。