秋のマラソン大会のエントリーが始まる季節となりました。

SNSを見ていると、「初マラソンに挑戦します!」「フルマラソン走ることになりました!」「完走を目指します!」といった投稿を、よく見かけます。

僕自身も、初めてフルマラソンにエントリーしたときのワクワク感、高揚感は、10年以上が経った今でも、よく覚えています。

ちなみに、2013年10月に迎えたそのレースの結果がどうだったかというと……

37km地点で、途中棄権。。。

この記事では、そんな僕自身の経験に基づき、以下の内容を紹介します。

この記事の内容
  • 僕の初マラソンの失敗要因
  • 失敗レースで後悔した経験から学んだ、初マラソンを完走するためにやっておくべきだったこと
  • 楽しくゴールし、「また次回も走りたい!」と思えるために、意識しておきたいこと

フルマラソン当日を自信を持って迎え、笑顔でゴールできるように、僕の経験を反面教師にしていただければ幸いです。

なぜ失敗したのか

僕が初めてのフルマラソンは、残念ながら失敗レースとなってしまいました。

マラソンのことを全く分かっていなかったので、何も考えずに気持ちよく走り、25kmあたりを通過。

そこから徐々に脚の疲労がごまかしきれなくなってきて、30kmを超えたあたりでは大きくペースダウンしながらヘロヘロに。

何とかゴールはしたいと思いながら懸命にもがいて進んでいましたが、37km地点で両足を攣ってしまい、救護スポットで座り込んでしまいました。

身体は全く言うことを聞かない状態で、心も折れてしまい、ここから5km以上走るのは途方もないことのように思えて、そのままリタイアしてバスでスタート兼ゴール地点に戻りました。

Koki

典型的な、行き当たりばったりの無謀なレース展開でしたね。。。

このような結果となってしまった要因として、振り返って感じるポイントは、以下の通り。

失敗レースの要因
  • 目標タイムが曖昧だった
  • マラソンに対応した走り込み、練習を行っていなかった
  • 行けるところまで行ってやろう、という思考だった
  • シューズや栄養補給食など、装備が適切ではなかった

以下で解説していきます。

目標タイムが曖昧だった

最大の問題点は、目標タイムが曖昧だったことです。

当時、大学の陸上競技部で5000m~10000mに取り組んでいたこともあり、マラソンも何だかんだ走れるだろう、という謎のが思い上がりがありました。

目標としていたのは3時間切り、サブスリーでしたが、確固たる自信や根拠があったわけではなく、完全になんとなくでした。

あわよくば、もっとすごいタイム(2時間50分とか2時間40分)も狙ってやろう、みたいな欲望もありました。

このことによって生じる問題点は、以下の通り。

  • レースプランが立てられず、現在のペースが適切かどうかわからない
  • 欲望のままにどんどんペースを上げてしまい、気付いた時にはエネルギー切れになってしまう

まずは目標タイムを決めて、そこから逆算した計画的なトレーニングを行い、確かなプランに従って当日の42.195kmに向き合うべきだったと痛感しました。

Koki

ちなみに、このとき達成できなかったサブスリーは、6年後の2019年に、現在の自己ベストでもある2時間45分59秒としてクリアしています。

マラソンに対応した走り込み、練習を行っていなかった

マラソンに対応した、長距離の走り込みや練習を行っていなかったのも問題でした。

当時は5000m〜10000mの距離がメインだったため、30km走のようなマラソン特有の練習はほとんど行っていませんでした。

ハーフマラソン以下の距離と、42.195kmのフルマラソンでは、同じランニング競技でも求められる能力が大きく異なります。

ハーフマラソン以下の距離であれば、スピードや勢いで押し切ることができます。

しかし、フルマラソンでは長時間の運動によって体内のグリコーゲン(エネルギー源)が枯渇しやすくなるため、ペースの維持が難しくなります。

その状態でも走り続けられるようにするには、脂質代謝を効率よく使うためのトレーニングや、後半に粘るためのスタミナ強化が不可欠なのですが、当時はそんなことは全く知りませんでした。

行けるところまで行ってやろう、という思考だった

前述の通りレースプランがなく、また序盤は気持ちよく走れたこともあり、レース前半は以下のような思考になっていました。

まだまだ余裕があるから、今のうちにどんどんいってしまおう。ペースを上げてタイムを稼ぎ、あわよくばすごいタイムを出してやろう⋯⋯!!

マラソンにおいては、とてもリスクの高い走り方です。

偶然ハマって好走できればすごい記録が出るのは確かなのですが、初マラソンでうまく当てられる可能性はほぼゼロと言ってもいいと思います。

シューズや栄養補給食など、装備が適切ではなかった

シューズや栄養補給食などの装備品への配慮も不足していました。

長距離を走ることでの脚へのダメージを考えず、シューズはトラック競技で使用するような薄底軽量のモデルでスタートしました。

脚への負荷が大きい代わりにスピードが出しやすいモデルですが、トラック競技と異なりトップスピードで走る必要のないフルマラソンでは、より厚底でクッション性のあるモデルを使用するべきでした。

また、エナジージェルなどの栄養補給食も一切携帯しておらず、このことも後半のスタミナ切れに拍車をかけてしまっていたと思います。

Koki

改めて振り返ると、失敗するべくして失敗したレースだったな、と痛感します。

完走の備忘録 – 準備編 –

前述のような失敗レースを避けるためには、レース当日までの準備が全てです。

エントリーからレース本番まで、半年以上の期間があるはず。

この期間の過ごし方、取り組み方で、マラソンの結果のすべてが決まるといっても過言ではありません。

以下のことを意識しながら継続的にランニングをしておくことで、完走の可能性がグッと高まるはずです。

自分に合ったランニングシューズを見つけておく

2025年現在、ランニングシューズ市場には多くの特徴的なモデルが溢れています。

2017年に、Nikeよりランニングシューズの常識を変える厚底軽量のレースシューズが登場。
それに追従する形で2020年頃から各社より個性的なランニングシューズが登場し始めました。

オーソドックスな走行感のモデルも多いと同時に、ユーザーを選ぶような個性的な感覚に仕上げられたシューズも増えており、自分に合ったシューズを見つける重要性がより増しています。

シューズはランニングの楽しさだけでなく、自身に合っていない場合には故障にも直結する、重要なアイテムです。

また、僕の失敗談の通り、レース当日に選ぶシューズを間違えると、完走の可能性が下がってしまいます。

値段も高騰していて気軽に何足も買えるものではありませんが、スポーツショップで試し履きをしながら、練習用とレース用、最低でも2足は安心して気持ちよく走れるシューズを見つけておきたいところです。

30km走を経験しておく

フルマラソンは30km以降が本当の勝負。

僕自身も30kmまでは順調でしたがスイスイと順調でしたが、そこから一気に足が動かなくなり、37km手前で両足が攣ってしまい、最終的にリタイアすることに……。

対策として、30km走は必ずやっておいた方がいいです。

30kmを何度か走ると、「ある程度余力を残しつつ、30kmに到達する感覚」が掴めます。

レース本番で余裕を持って終盤に臨んでいけるよう、30km走を最低でも2~3回は経験しておくのがおすすめです。

目標を決めて、レースペースを知っておく

まずは何より、レース本番でどのくらいのタイムを目指すのか、しっかり決めておくべきです。

目標が決まれば、そのタイムでゴールするためにはどのくらいのペースで走る必要があるのか、逆算できます。

市民ランナーの間で大台と言われることが多いタイムは以下があり、無理なく目指せるものを選ぶといいと思います。

記録呼称平均ペース
4時間30分サブ4.56’24″/km
4時間30分サブフォー5’41″/km
3時間30分サブ3.54’58″/km
3時間00分サブスリー4’15″/km
2時間50分サブエガ4’01″/km

そして、そのペースで無理なく走れることを練習の中で確認しておき、本番は決してそのペースよりも速く走らないことが重要です。

「とりあえず走れるだけ走る」では、後半に必ず失速します。

自分の目標タイムを設定し、1kmあたりのペースを把握した上で練習することで、本番でも安定した走りができます。

GPSウォッチを用意する

市民ランナーの方であれば、道路を走ることがほとんどだと思います。

トラックでは1周400mと距離が決まっているので正確にペースを把握できますが、ロードでは難しいですよね。

そこで、練習におけるペース管理のために、GPSウォッチを用いるべきです。

GPSウォッチを使うと、ランニングペースを手元でリアルタイムで確認でき、また走った距離を正確に記録できるので、モチベーションの向上に繋がります。

僕は学生時代はGPS機能のないウォッチを使っていましたが、当時は走った距離やペースの算出は体感に頼っていた(ジョグなら5分で1km、とか)ので、トレーニング精度としてはいまひとつだったと感じています。

社会人になってGPSウォッチを買ったとき、あまりの便利さに感動したのを覚えています。

前述のレースペースを想定したトレーニング等でも必須ですし、レース本番でも走行ペースの把握に役立ちます。

練習の記録をつける

日々のランニングは、是非とも記録に残していきましょう。

「どれくらい走ったのか?」「どんな練習をしたのか?」「どんな気分だったか」「どんなことを感じたか」を記録しておくと、成長が見えやすくなります。

また、後から見返したときに、良い思い出になります。

記録媒体はノートでもいいですし、WEBサービスの活用もおすすめ。

SNS機能のあるサービスだと、知り合いや同じくらいのタイムを目指しているランナーの方とつながることで、より一層モチベーションを保ちやすくなります。

ランニングのモチベーション維持には「らんほり」がおすすめ!

一人でのマラソン練習は、時にモチベーションを保つのが難しいですよね。

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完走の備忘録 – レース当日編 –

前の章で紹介したポイントをはじめとして入念な準備を行い、いよいよレース当日。

レース当日はいろいろ緊張するかと思いますが、当日会場に着いてから、そしてレース中に意識すべきことを纏めてみました。

ウォーミングアップは最小限でOK

いよいよレース会場に到着!

周囲は熱気に包まれているはずで、ウォーミングアップで走っているランナーも多く、ついつい一緒に体を動かしたくなるかもしれません。

しかし、フルマラソンのレースでは、ウォーミングアップは最小限でOKだと思います。

Koki

実際、僕はハーフマラソン以上の距離のレースではスタート前のアップジョグは一切行わず、ストレッチのみです。

どれだけ入念にアップをしても、スタートブロックで待っている間に一生懸命温めた体は冷えてしまいます。

そのため、アップジョグなどのエネルギーはスタート後のために温存しておき、軽く体をほぐす程度がベストです。

スタート直後は焦らない

多くのマラソン大会では、持ちタイムごとにスタートブロックが分かれており、良い記録を持っている選手ほど前のほうからスタートできるようになっています。

これはゆっくり走るランナーが前方にいると、後方からのハイペースのランナーと接触して転倒するなどの危険があるためです。

そのため、初マラソンの場合は後方からのスタートとなる可能性が高く、場合によってはスタートラインを超えるまでに数分以上のロスが発生します。

これを取り戻すために、スタート直後から人混みの間を縫うようにジグザグに飛ばしていく方を時折見かけますが、これは絶対にNG。

ペースアップすることで目標タイムから逆算したレースペースを超えてしまい、スタミナを大きく消耗してしまう可能性が高くなるためです。

35kmが折り返しの意識で、終盤に余力を残す

フルマラソンは後半勝負。

前半は余裕があってイケイケモードですが、30kmを超えたあたりから一気に体が重くなります

そこで、どんなにテンションが上がっていても、序盤はとにかく抑えて設定ペース通りに黙々と走り、30kmまでは淡々と辿り着くことを意識します。

後半に向けて体力を温存し、ラスト10kmでペースアップできるくらいの余力感を残しているくらいがちょうどいいと思います。

すべてのエイドで給水を、エネルギー補給も適切に

数時間にも及ぶフルマラソンのレースでは、水分やカロリーなどの補給が大きな影響を及ぼします。

「喉が渇いていないから大丈夫」と思って給水をスキップすると、後半に脱水症状になりかねません。

また、可能なら栄養補給用にエナジージェルなどを携帯しておきましょう。

事前に決めておいたポイントで甘いジェルを補給することで、カロリー摂取とともに自分へのご褒美、気分転換になります。

Koki

僕が自己ベストを達成したマラソンでは、27kmと33kmでジェルを摂取しました。本来は25kmと30kmで摂取予定で2つウエストポーチに入れていましたが、レース展開で微調整。

水分とカロリーを適切に補給することで、脱水やエネルギー切れを防ぎましょう。

まとめ:初マラソンを成功させて、ランニングを生涯スポーツに

この記事では、以下の内容を紹介してきました。

この記事の内容
  • 僕の初マラソンの失敗要因
  • 失敗レースで後悔した経験から学んだ、初マラソンを完走するためにやっておくべきだったこと
  • 楽しくゴールし、「また次回も走りたい!」と思えるために、意識しておきたいこと

初マラソンが楽しい思い出になるか、辛い経験になるかは、当日までの準備次第です。

僕のように途中棄権となってしまわないためにも、今からしっかりと準備を進めましょう!

僕が社会人となってからも10年以上走り続けているように、マラソンは生涯を通して楽しめる、日々の生活に健康や爽快感、刺激を与えてくれるスポーツです。

せっかくそのような素晴らしいスポーツにエントリーしたなら、是非とも笑顔で完走して「また走りたい!」と達成感を得て、ずっと続けていきたいですよね。

エントリー直後であれば、レースまでは半年以上の期間があるはずです。

焦らずじっくりと練習を積み、自信を持って本番を迎えられるようにしていきましょう!

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